張家界市武陵源ー金鞭溪から袁家界、空中田園、天子山を行く


金鞭溪は武陵源の南口近くから約8キロにわたって続く渓谷で、並行する乗り物がなく、ゆっくりと渓谷歩きが楽しめる。渓谷は美しいが、両側が岩峰の絶壁で挟まれ、一旦目を見上げると、谷から一気にほぼ立ち上がる垂直の岩壁によって圧倒的される。



金鞭溪の終点からバスに乗って少し行くと、百龍エレベーターの乗り場に着く。このエレベーターは袁家界という台地の岩壁に建てられており、約400mの高度差がある。下部は岩をくり抜いて作られており、乗り場は入り口からトンネルを少し通った先にある。エレベーターに乗ると乗客が争って外の写真や動画を撮るが、ほんの短時間で頂上に着くので、あらかじめ準備していないと撮りそびれてしまう。



エレベーターが下に降りた後、ガラスの扉越しに覗いてみたら、すごい迫力だった。

エレベーターを降りると、そこは袁家界だ。乗り場を出て少し歩き、さらにバスで5分程行くと、袁家界の中心地にたどり着く。遊歩道を行くと絶景が広がる。ここが武陵源で一番の景勝地ではないかと思う。
手前の岩峰の向こうに見える独立した台地は先日登った黄石寨と思われる。遊歩道を1周するのに1時間強かかったが、それほど大きくないように見える。
時刻は10時半前。小雨が降ってきた。次の目的地に行くためにバス乗り場に向かう。バスに乗る前に食べ物を買って昼食を取ろうとすると、雨が本降りになってきた。昨日は朝から小雨で昼前から本降りになったが、今日も雨に祟られるようだ。



中継地点である楊家界で、天子山行きのバスに乗り換え、途中の停留所で下車した。ここでさらにミニバスに乗り換えた。目的地は岩峰の上にある田畑で、空中田園と呼ばれている。バスは楊家界と天子山の中間地点から伸びる尾根に沿って進んでいると思われた。終点の手前のバス道から眺めることのできる田畑は、バス道よりも少し低い崖の鞍部にあった。湧き水があり作物の栽培が可能なのだろう。
終点にはレストランや公衆トイレが整えられている。終点から眺めることのできる田畑は途中のそれよりも小ぶりだ。個人が生活のために作ったものが注目され、景勝地に発展したというのは興味深い。



バスの終点からさらに尾根を下っていく遊歩道を進むと、見晴台に出た。向こう側の台地には今朝乗った百龍エレベーターが見える。半日かかって台地を巡ってきたら、出発点が目の前にある場所に来たというわけだ。この頃、ようやく雨が止んだ。
少し離れた別の見晴らし台に行った。さっきから人の声がすると思っていたら、深い谷を挟んで隣の尾根の岩壁上に人の姿がみえた。これはおそらく天子坐と呼ばれる景勝地で、時間があれば立ち寄りたいと考えていた。そして実際に立ち寄ったが、長くなるので省略する。



天子坐に立ち寄るのに1時間弱かかり、バスに乗って天子山に着いたときには4時半となってしまった。徒歩で下山したいが、登山口で乗るバスがあるかどうかが問題だ。だめなら引き返すことにして、とりあえず下山路を辿った。少し歩いた所でバスが7時まであるという情報を入手し、下山を続けた。写真は2日前に歩いたルートとの分岐点だ。



下山路はなだらかに標高の下がる尾根に沿ったルートで、歩きやすい。分岐点から20分程で南天門に着いた。まだ明るいが、晩秋の日暮れは早い。足元が見えるうちにたどり着けるだろうか。
5時50分登山口着、バス道まで少し距離があるがここまでくれば安心だ。

by Dagui

投稿者について

toyochu

最終更新日:2025年11月06日