
最近、妻の影響で中国茶に興味を持ち、妻の購入したお茶を遠慮しながら飲んでいる。中国茶を日本で買うととても高価だ。今回、中国に旅行するにあたり、お茶を買って帰ろうと心に決めていた。
上海で天上茶城と言えば、ここに住む日本人のお茶愛好家が足繁く通う所だそうだ。地上三階建ての凝った作りの建物で、たくさんの茶葉や茶器の専門店が軒を連ねている。
これだけたくさんの店があると、どこに入ればよいかわからない。店の前にお茶の見本と価格が表示されている、通路の角にある明るい感じの店があった。少し覗いていると、お店のマダムが出てきて、少し言葉を交わした後、試飲をすることになった。この茶城にある店はどこでも、購入する前に試飲ができるようだ。
低いカウンターの椅子に座り、普洱生茶に興味があることを告げた。中国茶を淹れる作法があり、熟達した人の手際にはいつも見ていてほれぼれとする。まず茶葉自体の香りを確かめ、一煎目の茶葉の香りを楽しむのだが、残念ながら私の嗅覚は若い頃から馬鹿になっている。西欧人の客がやってきたので、マダムが対応している間、ご主人に続けて淹れていただいた。彼らは店の前に陳列している茶のいくつかをさっさと買っていった。ここのマダムは英語も達者で外国人に人気の店のようだ。
普洱生茶に続いて熟茶の試飲もした。味や香りは違うがどちらも美味しい。そうこうしているうちに、今度は若いアベックが入ってきて、試飲を始めた。女性は欧州に住んでいるが両親は上海出身のようだ。私がニコニコして聞いているのを見て、ご主人が「わかるのか」とびっくりしていた。女性の中国語は一つ一つの言葉やその使い方が基礎的で、しかもゆっくりと話しているので、私でもよくわかった。
つづいて、烏龍茶の大紅袍、老白茶と試飲した。中国は初めてですかと問われ、7、8回目ですと答えると、中国がお好きなんですねと言われた。会計を済ませて外へ出た。かれこれ1時間以上お店にいたことになる。中国茶を目一杯楽しませてもらった。
茶城の2階にある茶器の店を覗いてみた。茶盤というお茶を入れるのに使う台に興味がある。高価なものは、自然石で出来ており、中には木の化石製とされるものもあった。
by Dagui
最終更新日:2025年11月09日